後鼻漏
後鼻漏とは、鼻腔または副鼻腔からの鼻汁がのどにまわり、症状として、鼻とのどの間に違和感が出る、痰と咳が出る、咳払いをしたくなる、のどの違和感がある、唾をのんでも鼻水がへばりついて取れないような状態をいいます。
原因は多岐にわたりますが、アレルギー性鼻炎と副鼻腔炎によるもので70-80%を占めるという報告があります。
他には、薬剤性、加齢性変化、など多くの原因があります。
検査としては、
- 鼻腔内視鏡検査
- 副鼻腔CTまたはMRI
- アレルギーを中心とした血液検査
などを行い、原因検索をします。
治療としては、
- 鼻洗い
- 温熱療法(加熱した蒸気で鼻とのどを温める、蒸しタオル、など)
- アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎の薬(内服と点鼻)
- 逆流性食道炎や逆流性喉頭炎の薬
- 漢方
- 上咽頭擦過療法(Bスポット療法、EAT)
などを行い、症状の軽快または消失を目指します。
原因にもよりますが、有効性が報告されている治療法も複数あります。
原因の同定も含めて、お気軽にご相談いただければと思います。
(参考文献)
- 鼻アレルギー診療ガイドラインー通年性鼻炎と花粉症ー2016版
- 温熱エアロゾル療法、松根彰志
- 老人性疾患の予防と対策 老人性鼻漏、市村恵一
- Chronic upper airway syndrome secondary to rhinosinus diseases (previously referred to as postnasal drip syndrome) : ACCP evidence-based clinical practice guidelines, Pratter MR
- Treatment of postnasal drip with proton pump inhibitors : a prospective, randamized, placebo-controlled study, Pawar S.